『事故修理』といっても、
その損傷状態は大小様々です。
フロントの事故で例えると、
どのくらいのスピードでどれくらいの力が掛かったのか、
対象物に対して車が水平に衝突したか、或いは、ブレーキを踏んだことにより、つんのめるような格好で前側が下がって対象物に衝突したか、などなど。
事故状況により、破損する箇所・壊れ方・波及する範囲は違うため、その時々により全く同じ修理になるとは限らないのです。
フロント右側からの入力
フロント部の事故で大きく壊れてしまったアルトエコ。
バンパーは途中でちぎれてしまい
フェンダーも大きく折れ曲がり
ボンネットはクシャッと変形し
ヘッドライトは割れて
骨が折れて、見えている状態。
結構な大ケガです。
☝️左側のフェンダーに被るくらい、ボンネットがズレてしまっています。
車体のフレーム寸法確認
エンジンを下ろし、足回りを外し、エンジンルームをほぼ空にした状態で骨格を直さなければなりません。
修正機に乗せて寸法を確認します。
新車の寸法図にあわせ、車体のどの部分がどの程度、どのような角度で変形しているか。
フレーム修正機には、各箇所にミリ単位でメモリが入っています。
縦・横・高さ、それぞれの寸法が分かります。
フロント部フレーム修正
運転席側のフレームが正規の高さよりも上がってしまっているので、必要なだけしっかりと下げます。
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その後、フェンダーエプロン(ストラットのアッパーマウントの取付部の骨格)を取り替えます。
👇かなり大きな損傷です
前にも必要なだけ、しっかりと‼️
角度、強さ、変形箇所を見極めながら少しずつ修正を進めます。
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ここの作業をしっかりやらないと足廻りの寸法が出ません。
フレーム修正機を使用する職人の技術により、ひとつひとつの工程を確実に修復し、最後の状態がキチンとした新車寸法に戻るのです。
安心・安全はもちろん、仕上がりの美しさにも関わる、ダイナミック且つ繊細な修理過程となります。
骨格修正は、先進安全自動車には欠かせない、重要な修復技術です。