パテ研ぎに使う『あて木』
このあて木は、40年 使っています。
自分が若い頃は、便利な機械が無く、全て手で研いでいました。
その時に、自分で作った あて木です。
パテ研ぎで使う
塗装の工程の中に パテ研ぎという技術作業があります。
特に、この“パテ研ぎ”という仕事は、細かい粉で全身が汚れ、体力も腕力も使い、体勢も大変な、汚くつらい仕事です。
でも、仕上がりを美しくさせるための、大事な大事な仕事のひとつです。
水研ぎで使う
パテ研ぎで波を取り、ミクロン単位の高低差を無くしたら、次にサーフェーサーを塗ります。
そして、サーフェーサーの上から更に
水をつけて濡らしながら研ぐ、
『水研ぎ』をします。
水研ぎは最後の仕上げの波取り技術で、新品と変わらない滑らかな表面の形をつくる工法です。
研ぎながら、施工した箇所を水に濡らし、表面を光らせながら横から透かし、よぉ〜〜く見てチェックします。
色を塗って最後に横から透かして見て、きれいに波が取れた時は、
63歳になった今でも、とても嬉しい瞬間です。
技と道具
美しく仕上げる、職人の技。
そこには、技術と共に、職人の手に馴染んだ世界にひとつだけの道具があるのです。
このたった一枚の木。
40年の思いがつまった『あて木』です。