部分塗装の範囲って?

車を修理するとき、

『自費でできるだけ安く』というご要望が多くあります。

安価に抑える工夫の中のひとつとして、よくお話しするのが〝部分塗装〟です。

 


部分塗装の『部分』って?


 

お客様がイメージする『部分』と

塗装を行う範囲の『部分』とは、

結構違いがあることが多いです。

小範囲の傷修理に関して、部分的に塗装を行う場合の、実際の塗装範囲を伝えると、

『そんなに広く塗装をしなくて良いので、この傷の部分だけやってください』と言われることも多く、時には説明も聞いてもらえず怒られてしまうことも…😅

 

では、部分塗装をお客様がイメージする傷の部分に極力近い範囲で塗装した場合、仕上がりはどうなるか?

 

ボディに合わせて調色した色を、

超!部分的に吹き付けてみました。

👇こうなります

 

わかりますか?

 

ペターンとワッペンを貼ったように、

塗りました‼️ というおかしなことになってしまいます。

 

塗装を行う時に使うスプレーガンは、

細かいミスト状の塗料をふんわりと吹き付け色を重ねていくので、ある程度の範囲を持たせることは必須です。

また、ぼんやりと塗って分からなくするように調色と塗装の技術が必要なのです。

 

極力小さく、且つ、ボカシ目がわかりにくくなるような切れ目を見極め、傷の状態と車体の形状、色の特徴を見ながら、部分的な修理の『部分』という範囲を決定するのです。

 

 

すると、このように、

きれいな仕上がりになるのです。

先程の、ワッペンを貼ったような塗装と同じ塗料を使用しました。

 

きれいな仕上がりに必要な、範囲の決め方は料金を引き上げるためのものではありません。

正直に、必要なことをお伝えし、ご納得いただいた上で完成と引き渡し後のご満足に繋がります。

もし、10センチ、15センチで局部の塗装ができるから安いですよ!というお店があったときは、本当にちゃんと直るのかな?と思ってくださいね。

テクニカルオート、今週も誠実な気持ちでスタートです🎶

部分塗装 ボカシ目って何?

部分的に修理をする時、

塗装をする範囲も部分的になります。

とは言っても、局部ではありません。

損傷個所付近の形状により、塗装をどこで切るかを考えて良い場所を決めないと、「塗りました感」が凄まじくなってしまいます。

 

そして、塗装を掛けた境目を 私たちは「ボカシ目」と呼んでいます。

修理直後はどこを塗ったか、わからないくらいきれいになります。ボカシ目はわかりません。

でも、時間が経つにつれ、塗装のボカシ目は モヤモヤモヤ~っと現れてきます。

色の種類では特に、黒い色のとき、ボカシ目は目立つようになります。

 

 

ちょうど、黒い車両でボカシ目が出ている個所を見つけました。

よく見るとわかります。

上の濃い色と半分から下の白っぽくすすけたような色。 これが、ボカシ目です。

こういうボカシ目が 後々なるべく分からないように、パネルのラインや面積の狭い所で暈かします。

 

車の汚れをきちんと取らないと、

塗った個所は微妙な厚さがあるため、

色の境目がはっきりと出てしまします。

ボカシ際にコンパウンド、次に油汚れ落としのクイックベースできれいに落とします。

 

塗装後の手入れは、黒専用のワックスを使用するのが一番だと思います!

 

色の境目を何回も洗車して拭くと、目には見えにくいような小さな傷がついて重なり、

次第にボカシ目が目立ってくるので、ワックスを使用することにより膜を作ってあげることができるからです。