車に優しい引出し板金

車のボディは、ほとんどのパネルが鉄板で出来ています。

鉄を扱う鉄人は、鉄に優しい修理の仕方をするんです。

今回紹介するのは、助手席側のリヤドアからリヤフェンダーにかけての損傷。

※リヤフェンダーとはリヤタイヤの上のパネルです

リヤフェンダーの、タイヤ前側の細い部分が変形しているので、そこを直します!

先に、おおかたの傷は取りました。

リヤフェンダーは構造上、袋になっているので、裏側に手が入らない為、裏から押さえて表を叩きながら直すというやり方は出来ません。

叩けないので、引っ張ります。

▼こんな道具を使います。


⚫接着引出し板金とは?


鉄を溶かさず、鉄と工具を、溶かした半田を用いて接着し、複数回に分けて引っ張り出す修理方法です。

接着力は強力ではありませんので、強い力で引っ張ると外れてしまうことがあります。

でも、鉄の性質をそのままに修理ができるので、鉄に優しいのです。

一方、溶接の場合、

溶着力は強力で修理しやすいのですが、火で鉄を溶かしてしまうため、鉄の性質が変化し錆を引き起こしやすくするデメリットがあります。

後々の錆は嫌なので、修理する部分の硬さや変形の程度等により方法を変え、出来るだけ、鉄に優しい直し方をしています。


⚫接着と引出し


先ずは、引出しのポイントを決め、

引出しに使うアタッチメントの形と大きさを選び、

引き出す方向に最適な角度で、

半田を溶かして接着します。

適当ではダメなんです。

一つ一つに知識と技術がいるんですよ✨

しっかり接着されたことを確認して、

▼工具をセット!

引き出す準備ができました!

何度か、引く強さを加減しながら

コーン!コーン!と引き出します。

一言で、『鈑金』と言っても、

たくさんの道具があり、色々な直し方、色々な工夫があるんです✨

長年の経験と技術、

新しいものに対応する知識と進化、

これらを融合して、私たちは

沢山の人のお役に立っていきたいです。

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